獣医師 徳永先生より「新型コロナウィルス感染症の最新情報(4月22日時点)」「感染が拡大する中での動物病院への通院方法」についてお話いただきました。

ニュース&トピックス 2020.5.14

    今回は、4月22日時点での「新型コロナウィルス感染症の最新情報」と愛猫、愛犬への予防接種等で動物病院へ来院しなければならない方に向けて「新型コロナウィルス感染症が拡大する中での、動物病院への通院方法」についてお話いただきました。
     
    マハロ・ワークス株式会社代表取締役
    リライフアニマルクリニック院長 徳永 秀先生
    ※2019年11月16日開催のレジーナドッグクラブ会員感謝祭イベントに
      ミニアトラクションお口とごはんの相談会セミナーとしてご出展
     
    マハロ・ワークス株式会社
    https://mahalo-works.co.jp/
     
    運営している福岡県動物病院「リライフアニマルクリニック」
    https://relife-animal.com/
     
    「Dr.WANDEL」公式サイト(徳永先生が開発した犬用デンタルジェル)
    https://www.rebeaute.jp/wandel/
     ≪RDC会員感謝祭イベントにてご協賛いただき、ご来場のお客様よりご好評いただきました商品です。≫
     
    ※2020年4月22日時点での情報
    前回同様、人間の医療の情報が先行しているため、動物に関する情報は少なく、
    遅れて出ることが多いです。
     
    そのため今回のお知らせはアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の4月22日時点に発表された
    情報に基づいているため、現在の新型コロナウイルスの状況と多少づれがある事をご了承ください。
     
    また未知のウイルスであることもあり、今後の情勢により内容が大きく変わる可能性もあります。
     
    前回のお知らせに続き、今回は猫の話からお伝えします。
     
    【アメリカから報告された猫への感染について】
    CDCの4月22日の発表によると、アメリカのニューヨーク州にて飼い猫2匹に
    新型コロナウイルス感染が認められたと報告がありました。
     
    1匹は飼い主が新型コロナウイルスに感染していた事が確認されていますが、
    もう1匹の飼い猫の飼い主家族は、新型コロナウイルスに誰も感染していないと確認されており、
    どこで感染したのか不明です。
     
    いずれの猫も軽度の呼吸器症状が見られましたが、症状は軽度で回復に向かっています。
     
    【犬猫への研究結果について】

    アメリカのメイン州の獣医診断研究所が行った数千匹の犬猫から採取した検体を検査した結果、
    新型コロナウイルス感染は認められず、現段階でも犬猫が新型コロナウイルスを広める可能性は低いと
    考えられます。
     
    前回同様、WASAVA(世界小動物獣医師会)の公式発表として新型コロナウイルスにより、
    犬猫をはじめとした伴侶動物(ペット)が発症したり、人や他の動物に感染を起こす科学的根拠はない
    としており、現段階でも同じことが言えます。
     
    とはいえ、ネコ科の動物では症状が認められることもあるため、人から犬猫に新型コロナウイルスを
    感染させないことが重要です。
     
    このような非常事態宣言下ですが、暖かい季節になってきたため、ワンちゃんネコちゃんと
    暮らされている方には、予防シーズンのため動物病院に行かなければならない方も多いでしょう。
     
    もう一つのお話として、動物病院に通院される場合のアドバイスをお伝えさせていただきます。
     
    大切な家族を守るため次の事を再度ご確認いただけると幸いです。
     
     ≪動物病院に通院される方へのアドバイス≫
    ①まずは動物病院のHPをチェックして、病院からの注意事項を良く確認しましょう。
      出来れば来院前に動物病院に電話をして不明点を確認してください。
     
    ②時間予約が出来るのであれば、事前にや電話で予約をしてから来院されると良いでしょう。
     
    ③3密を避けるために、動物病院側も普段よりも換気を徹底している所が多いです。
      不幸な事故を防ぐためにもリードやキャリーを持参し、動物病院側の指示があるまで
     キャリーから出さないようにしてください。
     
    ④駐車場がある場合は出来るだけ自家用車で行き、受付を済ましたら呼ばれるまで
     車内で待機しましょう。
     
    ⑤動物病院内に入る時は、症状の分かる方1人だけで入るようにしましょう。
      待合室の人数が増えるほど、残念ながら感染リスクが高くなってしまいます。
      複数のワンちゃんネコちゃんと暮らされている方は、事前に動物病院へ確認しましょう。
     
    ⑥動物病院入口に消毒液がある場合は、必ず使用された方が安全です。
     
    ⑦出来るだけ来院回数を減らせるよう、予防系(混合接種やフィラリア・ノミ・ダニ予防等)は
     一度に終わらせられるよう、来院前にかかりつけ動物病院にご相談ください。
     
    ⑧連れて行くのが難しい方は、往診が出来ないか確認してみてください。
     

    ■狂犬病予防接種:
     通常4月~6月の間に接種することが決められている多く、地域で集合接種が中止となって
    おり、動物病院で接種するしかない状況になっています。
     
    現在、厚生労働省側と7月以降に接種しても問題ないように協議が進められていますが、
    現在まで進展がないため、かかりつけの動物病院にまずはお問い合わせされると良いと思います。
     
    ■混合ワクチン:
    この時期に混合ワクチンを接種予定の方も同様です。
     
    ■フィラリア予防:
    例年4~5月から始まるフィラリア予防は、通常感染していない事の確認の検査をしてから、
    予防薬を動物病院から処方されます。
     
    ■ノミダニ予防:
    ワンちゃんだけではなく、ネコちゃんではノミダニの予防も皮膚や病気のトラブルから守るために重要です。
     
     検査をしてないで誤った使い方で予防薬を使用すると危険なため、非常事態下ではありますが
    必ず動物病院に確認をしましょう。
     
    ■療法食等:

     郵送の対応をしてくれる所も多いですので、かかりつけの動物病院に相談されてみてください。
     
    新型コロナウイルス対策でもそうですが、かからなくてよい病気リスクを無くすことで、
    ワンちゃんネコちゃんの不要不急の外出を避けられるため、大切なワンちゃんネコちゃんの
    健康を守るために、予防をしっかり行うことが重要です。

    また何度もお話して申し訳ございませんが、今回の新型コロナウイルスは無症状の方も多く、
    人間から犬猫に感染させてしまうリスクが非常に高いです。

     
     治療法や予防法が確立されていない現在、非常事態宣言が解除されたり状況が変わってくると
    思いますが、皆様には引き続き予防意識を高めていただければと思います。
     
    皆様にとっても不自由だったりご不安だったりすると思いますが、デマや不確かな情報に惑わされず、
    大切なご家族やワンちゃんネコちゃんを守れるよう、健康管理や手洗い・うがい等の感染症対策に
    気を付けて、この非常事態を一緒に乗り越えていきましょう。
     
    当院もより厳密な感染症対策を実施しながら、病気で治療を継続している動物達がいますので、
    出来るだけ通常通りの診察を続けていきます。
     
    ご不安な事がある場合は、当院やかかりつけの動物病院にご相談くださいね。